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四ツ橋の電気科学館

 これも昔、大阪の中心部、四ツ橋に電気科学館があった。 弱電の興隆期で今から60年ほ

ど前のことか、そこにはテレビ電話とか自動ドアー・不審者警報機など目新しいものが数多く

展示されていた。 特に私が興味のあったのは市電の運転席で、アクセル・ブレーキを自由に

操作でき、いっぱしの運転手になった気分にさせてくれた。 プラネタリュームもあり、ドイツの

ライカ製で天体の不思議を詳しく学芸員が解説してくれた。そこで記憶に残っているのは北極

星が何万・何億年か後に別の星に取って代わると云う話で、不朽のものが変化する摩訶不思

議な現象に唖然とさせられたことを記憶している。 

ここでお話したいのは南極越冬隊のことである。

地球観測年を記念して日本が南極に昭和基地を建設し、冬季越冬隊が厳冬期に観測と冒険を

試みる記録映画がここで上映されていた。 建物はプレハブ住宅の先鞭を付けた構造で、壁を

立てかけ閂で接合する工法で建てられ、簡単に家が完成する代物である。地吹雪・オーロラなど

目を見張る景色が次々と現れ、幼い子供の冒険心をくすぐった。 二年後の越冬隊は南極海の

氷に苛まれ、観測船「宗谷」が何度も立ち往生する場面があり、ソ連のオビ号とアメリカのグレー

シャー号に救助を求め、結局オビ号に助けられることになる。この時に昭和基地では悲劇が起こ

る。 犬ぞりの樺太犬たちである。 第一次越冬隊員が基地を航空機で離れていく状況が記録

映画では撮影されているが、犬たちは全て鎖に繫がれたまま、空を見上げ遠吠えで啼いている。

その時感じた、これら犬たちを見放した人間の薄情さ加減に心底から腹が立った。 翌年、タロと

ジロが生き残っていたことで、日本中が感動の渦に湧きかえったが、私は人間の薄情さ加減を

忘れはしない。 これらは何回も映画化され、テレビドラマにもなったが、あの記録映画をあれ以降

一度も拝見していない。 あの当時では珍しいカラー撮影で、貴重な歴史遺産でもあるのに、どう

して公開しないのであろうか。 四ツ橋の電気科学館のことを思い出すたびに、あの南極越冬隊

の記録映画のことが甦る。

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